お知らせとご寄進のお願い
「白鳳院」建築勧進の一環として改めて皆様に国宝・釈迦如来像をご参拝いただきたく、白鳳院完成までご自由にお参りいただけます。
「白鳳院」建築勧進のためご寄進を賜りたく心からお願い申し上げます。
(5,000円以上ご寄進される方は寺務所までお越しください)
~古代のみほとけ~
≪釈迦堂開堂時間≫
開堂時間 |
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9:30~16:00 |
平成29年9月 国宝指定
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国宝 釈迦如来像 偶高83.9cm 銅造
像高 83.9㎝ 飛鳥時代7世紀~8世紀初
文献上、本像に関する記述は、天保12年(1841)、深大寺79世堯徧が纏(まと)めた『分限帳(ぶげんちょう)』に丈二尺余の釈迦銅仏とあるのが最も古く、当時は本堂の脇仏として安置されていました。
また、明治28年の『深大寺創立以来現存取調書』の宝物の条に「一、釈迦銅□ 壱躯 丈二尺余 座像ニ非ズ、立像ニ非ズ右ハ古ヘ 法相宗タリシ時ノ本尊ナリト申伝ナリ」と、深大寺開創時の本尊であることが記されています。開創時本尊という伝承の存在は、当時から逆算したとしても約1200年を経た古仏として本像が認識されていたことを意味します。
しかし、この頃の深大寺は、慶応元年(1865)の深大寺諸堂炎上以来、 本堂の再建などままならぬ状況下であり、本像は、とりあえず慶応3年に本堂を差し置いて再建されていた元三大師堂の須弥壇下に仮置きされたまま、年月が経ってしまい、次第にその重要性が忘却されてしまったようです。この頃、深大寺で小僧見習いの生活を送っていた中西悟堂(日本野鳥の会創立者、天台宗僧侶)師は、本像について、「誰もそんな貴重な像とは知らず、元三大師堂の須弥壇の裏棚に横たえたままであり、私は堂の掃除に行くと折に触れてこの白鳳仏の頭や肩やお尻の埃をハタキではたいたもので、もったいないことをした」と後年述懐されています。
さて、そのようななかで、明治42年(1909)、当時東京帝国大学助手であった柴田常恵によって元三大師堂の須弥壇下から本像は再発見され、これにより深大寺の名は本像とともに日本中に知られるようになり、大正2年に本像は旧国宝指定となったのです。
その後、昭和25年の文化財保護法施行で重要文化財となりましたが、このたび、新たに国宝指定を受け、関東所在の仏像としては神奈川県高徳院銅造阿弥陀如来坐像、東京都大倉文化財団普賢菩薩騎象像に次ぐ指定となり、寺院伝来の仏像としては都内寺院唯一にして、東日本最古の国宝仏誕生となりました。
そのお姿はまさに国宝にふさわしく優れた造形美を讃えています。
螺髪をあらわさず平彫りとし、三道をあらわします。両手を屈臂し、左手は膝の上で掌(てのひら)を仰ぎ右手は掌を前に向けて立てそれぞれ第3、4指を深くその他の指は軽く曲げています。
衲衣(のうえ)は左肩から背面を覆い右肩に少し掛かり、肘から正面を通って左肩に掛け、裙(くん)は正面で打ち合わせ、裾を台座上に広げ、両膝を開いて台座に倚坐(いざ)します。
また指先などに見られる肌の柔らかな写実的表現と規則正しく折りたたまれる衣文(えもん)の整った形式的な表現が見事に溶け合っています。ひときわ目を引く倚(い)像(ぞう)という形は、飛鳥時代後期から奈良時代にいたるまでのいわゆる「白鳳」期にみられる形式です。本像は蝋型(ろうがた)鋳造(ちゅうぞう)による一鋳で、像内は像底から頭部にかけて大きく空洞になっており、銅厚は1㎝内外とほぼ均一で、重さは53㎏です。表面仕上げについては従来鍍金(ときん)とされてきましたが、近年の科学的調査では、鍍金に必要な水銀は検出されず、金色の施し方は検討課題になっています。
保存状態は右手第3、4指先が欠失し、像表面が少し荒れているほかはきわめてよい状態です。すなわち本像は、造像当初の姿をよくとどめる白鳳仏としてきわめて貴重です。
優れた造形と高度な鋳造技法および香薬師像・夢違観音像との類似を考えあわせると、深大寺開創の天平5年(733)より前に文化の中心であった畿内地域において、ほかの2躯を手がけた同系統の工人によってつくられ、その後深大寺の本尊として迎えられたと考えられます。近年においては、「国宝 興福寺仏頭展」(東京藝術大学大学美術館)、「白鳳-花ひらく仏教美術-」(奈良国立博物館)、また、2016年には文化庁主催の海外展「日本仏像展」(イタリア・クイリナーレ宮美術館)にも日本を代表する仏像として出陳され、多くの人の目に触れ、東京にもこれほどまで歴史を刻み、優れた仏像が存在していたのかと再認識されました。
創建期から深大寺の歴史を見守ってきた本像は、いま世の中から熱いまなざしが向けられています。
【参考文献-もっとくわしく知りたい方へ-】
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