秘仏・元三大師像がんざんだいしぞうについて


日本最大 厄除け大師 深大寺の元三大師像は等身大で造られることが多い肖像彫刻にあって、坐像でありながら2メートル近い巨像であり、 僧形そうぎょう(僧侶のお姿をした)の古像としては日本最大の大きさです。

見開いた目や頬骨が張った輪郭、筋張った首などの造形表現も、写実的でたいへん迫力のある力強いお姿で、古来、厄除をはじめとした現世利益に大きく寄与してきました。



元三大師がんざんだいしについて


日本最大 厄除け大師

 元三大師がんざんだいし(九一九~九八五)は、比叡山の高僧であり、荒廃していた比叡山諸堂の復興など数多くの功績を上げられたことから比叡山中興の祖として崇められております。

また、今も全国のお寺や神社で引かれている、おみくじの創始者としても有名です。

良源りょうげんというのが生前の名でありますが、元月がんげつ三日(一月三日)に入滅されたことから、元三大師の通称で広く親しまれており、生前に人並みはずれた霊力と様々な姿に変じて人々を救ったという言い伝えが今でも伝承されています。



魔除けのおふだ ―降魔札ごうまふだ


降魔札 平安の昔、元三大師が鬼の姿となり疫病神を退散したときの姿を写し取ったもので、「角大師つのだいし」などと呼ばれます。
このお姿を刷った「おふだ」は、魔除けとして知られ、特に江戸時代以降、日本中の家々の入口に貼られてきました。
江戸時代の川柳には、
「 門松に かくれ顔なり 角大師 」
とあり、家々の門松の背後にこの「おふだ」が貼られていた様子がよくわかります。

 ※お札(おふだ)は授与所でお授けしております。



おみくじの元祖


おみくじの元祖 深大寺 我が国の「おみくじ」の創始者は、元三大師さまです。
今も全国のお寺や神社でこの「おみくじ」は引かれていますが、寺社によっては「吉」を引きやすくするため「凶」の「おみくじ」を抜き取っている場合もあるようです。
深大寺の「おみくじ」は古来のままなので、凶が多いことで有名です。しかし「凶」は「吉」に好転する力を秘めています。
日本屈指の元三大師寺院である深大寺で「おみくじ」を引くことは、まことに意味があるのです。

⇒鎌倉幕府と深大寺元三大師像 

⇒「元三大師信仰」大いに振るう