武蔵野の水と緑と寺と蕎麦

深大寺界隈(かいわい)は週末ともなれば、寺をとりまく自然や、名物の深大寺蕎麦にひかれ、家族連れ、老若男女で大いに賑わいをみせます。 武蔵野の面影を残す深大寺周辺は、昭和三十六年に開園した隣接の都立神代植物公園とあわせて都人好個の散策地、憩の場所として有名です。

江戸時代文化年間の紀行文『遊暦雑記』は、「この村は幾処となく溪あり坂あり、高低定めがたくて莫大に広し…実も、深大寺の辺は大樹繁茂し、野猿の清澄(せいちょう)、澗水(かんすい)の音のみ聞えて更に一切の俗事をはなれ、寂々寥々(じゃくじゃくりょうりょう)として心月を観ずるべき勝地ならんかし」と伝えています。

いまもその恵みはそこかしこに感得され「この環境のみほとけありがたや」と歌人清水比庵翁も讃じています。

⇒ 深大寺真名縁起