初詣大護摩供
正月三が日の深大寺は約20万人の初詣参拝者で境内外は溢れ終日賑やかです。
特に元三大師堂(がんざんだいしどう)では1月1日午前0時、除夜の鐘とともに迎える新年最初の行事として、住職以下、深大寺全僧侶により天下泰平、国家安穏、仏法興隆を祈願する修正会大護摩供(しゅしょうえおおごまく)が執行されます。
「修正会(しゅしょうえ)」とは文字通り「正月に修される法会(ほうえ)」であり、深大寺では厄除元三大師さまの御威力、御利益に預かって厄除、家内安全、商売繁盛、身体健全、交通安全等の諸祈願をご希望される皆々様の護摩祈願とを併せるかたちで執行されます。
節分会(2月3日)
「節分」とは、季節を分けるという意味があります。四季それぞれの変わり目はすべて「節分」ですが、特に立春の前日を重んじます。これは立春をもって新たな年、その前日を年越しとする考えがあるからです。新たな年を迎えるにあたり、邪気、魔物を払ってしまおうという意味が節分にはあるのです。特に現在では皆さんの厄払い、家内安全などの意味を込めて、豆まきなどの行事が各地で行われます。深大寺では終日皆さまの「厄よけ」「家内安全」「諸願成就」等の大護摩供が元三大師堂で修されます。あわせて年男、芸能人、有名スポーツ選手等によるお練り行列と本堂前特設舞台での豆まき式が盛大に行なわれ多くの参詣者で賑わいを見せます。
厄除元三大師大祭、だるま市(3月3日・4日)
深大寺の諸行事中、最大の行事が「厄除元三大師大祭」です。例年、深大寺山門の紅梅白梅が見ごろを迎える3月3日、4日の両日にわたり執行され、朝から元三大師様のご霊験を崇める10万人余の人々が訪れます。元三大師堂では諸願成就の大護摩供が終日厳修され、江戸時代の文献には、参詣者が「近郊近在より群参す」と記されているほど、深大寺の元三大師大祭は歴史と伝統のある行事です。
元三大師様のご霊験は今でも多くの人々に篤く信仰されています。また、これにあわせて境内では大師様のご威力にあやかる縁起だるま市も開かれます。「日本三大だるま市」の1つとして、また東京に春を呼ぶ深大寺のだるま市としてその知名度は全国的です。寺の境内は大小約300余の縁起だるま店を中心とした店が並びます。
なんじゃもんじゃコンサート(4月下旬~5月上旬頃)
毎年5月上旬に、なんじゃもんじゃの木の下で、東京消防庁音楽隊による「なんじゃもんじゃコンサート」が開催されます。なんじゃもんじゃの花が4月末から5月始めにかけて白いプロペラのような花が満開を迎え、風に吹かれて花が舞い落ちる頃に防災意識を高めるために、啓発活動の一環としてコンサートが行われています。
近年は、深大寺と法縁のある団体に協力していただき、合唱・吹奏楽・ブラスバンド等の様々なジャンル・楽器を用いたコンサートを開催しております。
新緑の爽やかな深大寺で、参拝者の皆様に楽しんでいただく賑やかな音楽を目指しております。
童子まつり(5月3日)
深大寺では、5月3日の元三大師さまのご縁日に、「大師さまのお姿」(これは東急の創業者である五島慶太氏が深大寺に奉納されたもので、江戸時代に制作された由緒正しきものです)を供養する法要を盛大に執行するのに併せ、お稚児さんのお練り行列を行います。
十三夜の会(10月~11月頃)
旧暦の9月13日の夜は、十五夜とともに観月にふさわしい名月で、「栗名月」「豆名月」とも呼ばれています。深大寺では「十三夜の会」と称し、山門において天台聲明(しょうみょう)や能舞邦楽の演奏による観月会を行っています。
大般若転読会(10月中旬)
深大寺は天平寶字年間(七五八~七六四)に淳仁天皇より「浮岳山深大寺」の勅額を賜って以来、大般若転読を永式と定める鎮護国家の道場でもあり、今も例年十月に深沙大王堂で修される大般若経(だいはんにゃきょう)六百巻の転読会は、深大寺の年中行事のなかでも最重要の法儀として、住職以下総出仕にて厳修されます。
堂内には玄奘と向い合って鬼神の姿の深沙大王像が描かれている釈迦三尊十六善神図が掲げられます。深沙大王は本来、疫病を除き、魔事を遠ざける効能のある神とされています。唐の玄奘三蔵が仏典を求めて天竺に赴く途次、砂漠での難を深沙大王が救ったという説話は有名ですが、特に深大寺では、開創縁起にちなみ縁結びの神様として広く信仰をあつめているのです。